編集について



現在編集は全てPCによる「ノンリニア編集」を行なっています。が、以前はPCで編集するとなると、編集用ソフト&キャプチャボード合わせて20万以上もしていたので、PCで編集を行なうなんて夢のまた夢でした。



以前の編集方法

 では以前はどのように編集をしていたのかというと、単純に2台のビデオデッキを映像・音声ケーブルでつなぎ、片方を再生側、もう一方を録画側にして編集していました。つまり再生側にマスターテープを入れて、その中から必要なシーンのみをどんどん録画側のテープにダビングしていくのです。私の場合はビデオデッキ2台ではなく、ビデオデッキ1台とビデオカメラ1台をつないで編集していました。ただこの方法ではあとから途中に1シーン挿入したいと思ってもできません。またアナログダビングであるので、マスターに比べてかなり画質が劣化します。この画質劣化がリニア編集の大きな問題でした。見比べると本当に明らかに劣化するのです。編集版を作った後、それを配布するとなると複数コピーしなくてはいけません。となると編集版からさらにダビングを行なうのでもっと画質が劣化します。特に輪郭がボケボケになり、テレビの近くで見るとなんじゃこりゃ〜、マスターはもっときれいに撮れているのになぁといつも思っていました。

リニア編集のもうひとつの大きな問題は同期です。あとから映像にBGMなど音声効果を入れるためにアフレコをするのですが、例えば音声のリズムに合わせてリズムよく映像を切り替えさせたいとか、映像のこの部分でピッタリ音声が止まるようにしたいとかいうとき、デッキのカウンターで逆算してうまくアフレコを開始するのですが、なかなか映像に同期してくれないのです。というようにタイミングを合わせるということは難しいものでした。もしちょっとでもずれたらやり直しになります。でもその分音声が映像にピッタリ合ってくれたときは感動ものでした。この瞬間の喜びがたまらなくてビデオ編集が好きになったのではないかと思うほどです。しかしこれに関しては今ではPCによる編集により(1/30)秒単位で調整が出来るようになっているのでタイミングが合わないということは全くなくなりました。

他にもアフレコ音声のフェードインフェードアウトや、複数の音声をミックスさせるのはラジカセのボリュームコントロールを使ったりオーディオパーツなどを使って完全に物理的に手で行なってました。また、スーパーインポーズがまた色々あって、以前は今みたいに1度撮った映像にあとで文字を合成することが出来ませんでしたから、例えばビデオカメラのキャップを付けたまま(つまりバックは黒にして)そこに文字を入れ、その文字の入った映像を編集するときに映像に挟んで入れるなど、いかにスーパーインポーズによる効果を出すか色々と工夫していました。
 ところで以前はどうやって文字を入れていたのか知らない方もいると思うので説明すると、以前のビデオカメラにはよく「記憶」という機能と「スーパーインポーズ」、「カラー」などのボタンが付いていて、簡単に言えばカメラに文字を記憶させ、映像に好きなカラーで記憶させた文字を合成することができるのです。この機能があったおかげで、私はスーパーインポーズに関して有りとあらゆる工夫をして楽しむことが出来ました。私が考え出した方法により、この記憶機能とワープロを使うことで「カラオケ」ソフトを作ることが出来ます。その位色々試して遊びながら編集をしていました。

さて、ずらずらと以前の編集について書いてきましたが、以前の編集の方が現在のノンリニア編集より勝っている点があります。それは、編集した映像をすぐにモニタで見られるという点です。2台のビデオデッキで物理的にダビングしているのですから、それさえ終わればすぐに結果がテレビモニタで見られるのです。ところがPCの場合はそうはいきません。タイムライン上で映像、音声などの素材を並べた後、レンタリングという作業をしなくてはならないのです。これが時間がかかります。ですので、編集作業にどちらの方が時間がかかるかというとPCを使った編集の方になります。



現在の編集方法

 PCを使ったノンリニア編集の方法を簡単に紹介します。
@ DVカメラで撮影します。

A DVカメラとPCをIEEE1394ケーブルでつなぎビデオをキャプチャします。もしキャプチャしたいビデオがアナログ機器で撮られたものだったら、それをDVカメラにダビングしてからPCにキャプチャします。

B キャプチャした素材をビデオ編集用のソフトウェアを使って、カットやエフェクト、スーパーインポーズ、BGMや効果音の挿入などを行ないます。ちなみに私が使用しているソフトウェアはAdobe PremiereLEです。もし機能制限版のLEではなくAdobe Premiereがあれば、ホントに何でも出来るようになりますが、とても高くて買えません。ですので私の場合はPremiereだけでなく他の色々なソフトウェアを使って工夫することにより、LEだけでは出来ない効果などを入れています。特に一番使うのが私の大好きなソフトウェアのMacromedia Flashです。

C レンタリングを行い、最終的な出力用のAVIファイルを作ります。

D DVカメラとPCを再び接続し、AVIファイルをDVカメラに出力します。

と、以上で簡単な場合の編集作業は終わりになります。
さて、PCを使ったノンリニア編集は画質の劣化がなく、また細かな編集(1フレームずつ調整できる)を行なうことができます。ところが注意しなくてはならない点もあります。

PCを使ったノンリニア編集の注意点

注意1 多くのハードディスク容量を必要とする。
 DVカメラからキャプチャした素材は約9分30秒で2GBにもなります。もし1時間のビデオをキャプチャしたなら、12GBもハードディスク容量が必要になります。しかしそれだけでは足りません。編集作業を行ないますし、レンタリングによって新たなAVIファイルを作らなくてはなりません。そのため一般的には作りたいAVIファイルの3倍はハードディスクを空けておく必要があります。ですからもし1時間のビデオを編集するなら、36GBはハードディスクが空いていないとまずいのです。私の場合はここまで余裕がありませんから、編集し終わっていらなくなった素材などをどんどん削除するなどしてハードディスク容量を空けています。

注意2 PCのスペックがある程度高くないと、コマ落ちする。
 これは本当にコマ落ちします。コマ落ちというのは、映像がもたついてちゃんと表示されなかったり、ブロックノイズがでたりすることです。もしコマ落ちはしなくてもスペックがある程度ないと、レンタリングにビックリするくらいの時間がかかります。

注意3 2GBの壁がある。
 先ほど2GBは9分30秒と書きましたが、実際ビデオを編集するとなると9分30秒以上のビデオになることがほとんどですよね。しかーし、なんとPCには「2GBの壁」というものが存在して、1度に2GB以上のAVIファイルを作ることが出来ないのです。このため長いビデオを作る場合は9分30秒ずつ細切れに作っていかなくてはならないのです。しかし、最近ではAVI2.0に対応した編集ソフトウェアが出ているので「2GBの壁」はなくなりつつあります。しかし次は「4GBの壁」があります。これはWindowsでファイルシステムがFAT32の場合、4GB以上のファイルを作れないのです。どうしても4GB以上のファイルを作りたいなら、ファイルシステムをNTFSにすれば作れます。しかしほとんどの家庭向けのWindowsではFAT32ですので、PCでの編集には壁があるのです。





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